月末になると、現場仕事を終えてから事務所でExcelを開き、夜遅くまで請求書を作っている。そんな経験はありませんか。見積書の金額を請求書に打ち直したり、入金の確認を通帳と見比べたりと、書類仕事は意外と時間を取られるものです。
この記事では、見積書や請求書を「クラウド(インターネット上にデータを保存・管理する仕組み)」で作成・管理する方法を、ITが得意でない方にも分かるようにご紹介します。
「手作業の請求業務」に潜む3つのムダ
従業員5名の工務店を営むBさんは、見積書をExcel、請求書をWord、入金管理を手書きのノートで行っていました。この方法には、次のようなムダが潜んでいます。
- 同じ金額や品目を何度も打ち直す「二度手間」
- 転記ミスによる請求金額の間違い
- 「どの請求書が未入金か」がすぐに分からない
Bさんも一度、請求漏れに2か月気づかなかったことがあったそうです。忙しい現場を抱えるほど、こうしたミスは起こりやすくなります。
クラウド請求書サービスでできること
クラウド請求書サービスとは、パソコンやスマホのブラウザ(インターネットを見るためのソフト)から、見積書・納品書・請求書を作成できるサービスです。主な特徴は次のとおりです。
- 見積書をボタン一つで請求書に変換できる
- 取引先や品目を登録しておけば、選ぶだけで入力が済む
- 作成した書類をそのままメールで送ったり、郵送を代行してもらったりできる
- 入金済み・未入金の状況を一覧で確認できる
さらに、多くのサービスは「インボイス制度(消費税の仕入税額控除を受けるための請求書のルール)」や「電子帳簿保存法(書類を電子データで保存する際のルールを定めた法律)」に対応した書式を用意しています。制度の細かい要件を自分ですべて調べなくても、対応した書類を作りやすいのは大きな安心材料です。
失敗しないサービスの選び方
サービスはたくさんありますが、小さな会社が選ぶときは次の3点を確認するのがおすすめです。
1. 無料プランやお試し期間があるか
まずは実際に数枚作ってみて、使いやすさを確かめましょう。月額数百円〜数千円のサービスが多く、無料で始められるものもあります。
2. スマホで操作しやすいか
現場の合間や移動中に見積書を作れると、お客様への返答が早くなります。スマホアプリの有無は必ずチェックしましょう。
3. 会計ソフトと連携できるか
すでに会計ソフトを使っている場合は、連携できるサービスを選ぶと、売上の記帳まで自動化できます。税理士さんとのやり取りもスムーズになります。
導入は「新しい取引から」が成功のコツ
いきなりすべての書類を移し替える必要はありません。Bさんの場合は、次のような順番で進めました。
- よく使う取引先5社と、よく使う品目だけを登録する
- 翌月の新しい見積書から、クラウドで作り始める
- 慣れてきたら、入金管理もクラウドに切り替える
その結果、月末の請求業務は丸1日から2時間ほどに短縮されました。「夜に事務所へ戻らなくてよくなったのが一番うれしい」とBさんは話しています。
まとめ
見積書・請求書のクラウド化は、特別なIT知識がなくても始められる業務効率化の一つです。
- 二度手間や転記ミス、請求漏れを減らせる
- インボイス制度や電子帳簿保存法への対応もしやすい
- 無料プラン・スマホ対応・会計ソフト連携の3点で選ぶ
- 新しい取引から少しずつ切り替える
月末の書類仕事に追われている方は、ぜひ無料プランで1枚目の見積書を作ってみてください。浮いた時間を、本業やご家族との時間に使えるようになるはずです。
