「お客様にも使ってもらえるように、お店のWi-Fiのパスワードを壁に貼っている」「ルーター(インターネットにつなぐための機器)は、業者さんが設置してくれたまま触ったことがない」。そんな状態に心当たりはありませんか。
Wi-Fiは毎日当たり前のように使うものだからこそ、見直す機会がほとんどありません。しかし、設定がそのままのWi-Fiは、外から入り込まれる「裏口」になってしまうことがあります。今回は、専門知識がなくても今日から確認できるWi-Fiセキュリティの基本をご紹介します。
なぜ小さなお店や事務所のWi-Fiが狙われるのか
「うちのような小さな店に、わざわざ侵入する人はいない」と思われるかもしれません。ところが実際には、対策が手薄な場所ほど狙われやすいのが現実です。
たとえば、カフェを営むAさんのお店では、お客様用とレジ用のタブレットが同じWi-Fiにつながっていました。同じネットワーク(機器同士がつながっている範囲)にいれば、悪意のある人が店内からレジや共有フォルダをのぞき見ることも不可能ではありません。売上データやお客様の情報が漏れれば、お店の信用に大きく関わります。
まず確認したい3つのポイント
難しい設定をする前に、次の3点をチェックしてみてください。
- ルーターの管理パスワードが初期のままになっていないか
ルーター本体に貼られたシールのパスワードのままだと、第三者に設定を変えられるおそれがあります。 - 暗号化の方式が古くないか
暗号化とは、通信の中身を他人に読まれないようにする仕組みです。設定画面で「WPA2」または「WPA3」になっていれば安心です。「WEP」と表示される場合は、早めに変更しましょう。 - ルーターのファームウェアが更新されているか
ファームウェアとは、機器を動かすための基本ソフトのことです。古いままだと弱点を突かれやすくなるため、自動更新をオンにしておくのがおすすめです。
どれも、ルーターの説明書やメーカーのサイトを見ながら、10〜15分ほどで確認できる内容です。
お客様用と業務用は「分ける」のが基本
もっとも効果が大きいのは、お客様用のWi-Fiと業務用のWi-Fiを分けることです。最近の多くのルーターには「ゲストネットワーク」という機能があり、ボタンひとつでお客様専用のWi-Fiを作れます。
ゲストネットワークにつないだ端末からは、業務用のパソコンやレジ、プリンターにアクセスできません。従業員5名の美容室を経営するBさんは、この設定をしただけで「お客様にWi-Fiを案内するときの不安がなくなった」と話していました。
あわせて、お客様用Wi-Fiのパスワードは数か月に一度変更すると、さらに安心です。
業者任せにしないための「記録」のすすめ
Wi-Fiの設定は、一度済ませるとすぐに忘れてしまいます。そこで、次のような情報を1枚の紙やメモアプリにまとめておきましょう。
- ルーターの機種名と設置場所
- 管理画面のパスワード(保管場所は限られた人だけが知る場所に)
- 業務用・お客様用それぞれのWi-Fi名
- 最後に設定を見直した日
これがあるだけで、トラブル時に業者さんへ状況を伝えやすくなり、担当者が変わっても引き継ぎがスムーズになります。
まとめ
Wi-Fiセキュリティの対策は、高価な機器や専門知識がなくても始められます。
- ルーターのパスワード・暗号化方式・ファームウェアを確認する
- お客様用と業務用のWi-Fiを分ける
- 設定内容を記録して、定期的に見直す
まずは今日、お店や事務所のルーターの設定画面をのぞいてみることから始めてみてください。小さな一歩が、お客様とお店の大切な情報を守ることにつながります。ぜひ、次の定休日にでもチェックしてみましょう。
