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「振込先が変わりました」メールに要注意…経理も兼ねる社長のためのビジネスメール詐欺対策入門

「いつもの取引先から、振込先口座の変更連絡が届いた」——そんなメールを、深く考えずに処理したことはありませんか。実はこれ、近年増えている「ビジネスメール詐欺(取引先や社長になりすましてメールを送り、お金をだまし取る手口)」の典型的なパターンです。大企業だけの話と思われがちですが、経理を社長や家族が兼任している小さな会社ほど狙われやすいのが現実です。本記事では、専門知識がなくても今日から始められる対策をご紹介します。

ビジネスメール詐欺はどうやって起きるのか

手口はシンプルです。まず、取引先や自社のメールアカウントが何らかの方法で乗っ取られたり、よく似たアドレスが用意されたりします。そのうえで、過去のやり取りを真似た自然な文面で「口座が変わったので、今月分からこちらへお振込みください」と連絡してくるのです。

大阪で従業員6名の部品卸を営むBさんの会社でも、取引先の担当者名と署名が入ったメールが届きました。文面も普段どおりで、違和感はほとんどなかったそうです。たまたま電話で別件の確認をした際に「口座なんて変えていませんよ」と言われ、振込の直前で被害を免れました。

見抜くためにチェックしたい3つのポイント

怪しいメールには、よく見るといくつかの共通点があります。

  • 送信元アドレスが微妙に違う:「example.co.jp」が「examp1e.co.jp」になっているなど、1文字だけ違うケースがあります
  • 急がせる・内密にさせる:「本日中に」「この件は他言無用で」など、確認する時間を与えない言い回しが目立ちます
  • 口座の名義や銀行が不自然:海外の銀行や、会社名と異なる個人名義の口座を指定してきます

ただし、最近は文面が非常に巧妙で、見た目だけで判断するのは困難です。「見抜く力」に頼りすぎず、次に紹介する「仕組み」で防ぐことが大切です。

被害を防ぐ「社内ルール」のつくり方

もっとも効果的なのは、振込先の変更はメール以外の方法で必ず確認するというルールを決めることです。具体的には、メールに書かれた番号ではなく、名刺や過去の契約書に載っている電話番号へ折り返して確認します。このひと手間だけで、被害の大半は防げます。

あわせて、振込の承認を一人で完結させないことも重要です。経理を一人に任せきりにしていると、判断がその人の感覚に左右されてしまいます。「振込先の新規登録・変更は社長と担当者の二人で確認する」といった手順を決めておけば、業務の属人化(特定の人しか分からない状態)の解消にもつながります。手順は紙1枚にまとめ、パソコンの横に貼っておくのがおすすめです。

メールアカウント自体を守る基本対策

自社のアカウントが乗っ取られると、今度は自分たちが取引先をだます「加害者」側に利用されてしまいます。最低限、次の対策を確認しておきましょう。

まずは「二段階認証(パスワードに加えて、スマホに届く確認コードなどでも本人確認する仕組み)」を設定することです。パスワードが漏れても、不正ログインを防ぎやすくなります。次に、メールソフトやパソコンのOSを常に最新の状態に保つことも欠かせません。さらに、自社ドメインのメールを使っている場合は、なりすまし対策の設定(SPFやDMARCと呼ばれる送信元確認の仕組み)が済んでいるか、ホームページやメールの管理会社に一度問い合わせてみると安心です。

まとめ

ビジネスメール詐欺は、どれだけ注意深い人でもだまされる可能性がある手口です。だからこそ、「振込先の変更は電話で確認する」「振込は二人で承認する」「二段階認証を設定する」という3つの基本を、仕組みとして社内に根づかせることが大切です。どれも費用をかけずに今日から始められる対策ばかりです。大切な売上を守るために、ぜひこの機会に自社のルールを見直してみてください。

POST: 2026.10.19