「クレジットカードの明細を見たら、何に使っているのか分からない引き落としが並んでいた」——そんな経験はありませんか。
近年、業務で使うソフトやサービスの多くは、買い切りではなくサブスクリプション(月額または年額で使用料を払い続ける契約形態)に変わりました。1つひとつは月数百円から数千円と手頃なため、必要になるたびに気軽に契約してしまいがちです。しかし気づけば十数件に増え、年間で数十万円になっていた、というケースは珍しくありません。
人手も予算も限られる小さな会社にとって、この「なんとなく払い続けているお金」は見逃せないコストです。今回は、専門知識がなくても今日から取り組める、IT費用の見直し方をご紹介します。
まずは「何に払っているか」を一覧にする
見直しの第一歩は、削ることではなく書き出すことです。難しい表計算ソフトは必要ありません。紙でもメモ帳でも構いませんので、次の項目を並べてみてください。
- サービス名
- 月額(または年額)の金額
- 支払い方法(どのカード・どの口座か)
- 契約した人・担当者
- 誰が、どのくらいの頻度で使っているか
一覧の作り方が分からない場合は、クレジットカードの明細を12か月分さかのぼるのが確実です。年払いのサービスは月次の明細だけでは見つからないため、1年分を通して確認するのがポイントです。
従業員5名の工務店では、この作業だけで「同じような機能のクラウドストレージ(インターネット上にファイルを保存する仕組み)を2種類契約していた」といった重複が見つかることがあります。
「使っていない」と「重複している」を探す
一覧ができたら、次の2つの視点でチェックします。
1つめは、使っていないもの。 繁忙期だけ必要だったツール、退職した社員が使っていたアカウント(利用者ごとの利用権)、試しに導入したまま定着しなかったサービス。特にアカウント数で課金されるサービスは、人数分の設定が当時のままになっていないか確認しましょう。
2つめは、重複しているもの。 ファイル共有、チャット、オンライン会議、請求書作成——これらは複数のサービスが機能を兼ねていることが多く、知らないうちに二重払いになりがちです。すでに契約しているサービスに同じ機能が含まれていないか、一度調べてみる価値はあります。
一人で運営するネットショップでも、「デザインツールと画像編集ツールを別々に契約していたが、片方に統合できた」という例があります。
解約する前に、必ず確認したいこと
削減はうれしいものですが、慌てて解約すると業務が止まります。次の3点は事前に確認してください。
- 保存したデータは残るか:解約と同時に消えるサービスもあります。必要なファイルは先に手元へ保存しましょう
- 他のサービスと連携していないか:会計ソフトと連動している場合など、片方を止めるともう片方が動かなくなることがあります
- 年契約の途中ではないか:更新月の直前に解約手続きをするほうが無駄がありません
「よく分からないから、とりあえず残しておく」も選択肢の1つです。無理に全部を整理する必要はありません。
見直しを”1回きり”で終わらせない
棚卸しは、一度やって終わりではもったいない取り組みです。年に1回、決算前や期首など時期を決めて見直す習慣にしましょう。
さらに、新しくサービスを契約するときは「誰が契約したか」を記録に残すルールにしておくと、次回の作業がぐっと楽になります。契約用のカードを1枚に絞っておくのも有効な方法です。
まとめ
IT費用の棚卸しは、新しい知識も高価なツールも必要ありません。明細を眺めて一覧をつくる。それだけで、月に数千円、年間では数万円単位の見直しにつながることがあります。
削減できたお金は、本当に必要な設備やサービスに回せます。まずはカードの明細を1年分、開いてみるところから。ぜひ今月のうちに、30分だけ時間をとってみてはいかがでしょうか。
